遺品整理に伴う不用品処分は引っ越し業者でも対応可能？

 

故人が賃貸物件に居住していた場合、遺品整理をして不用品を処分し、必要な物は遺族の自宅などに搬入する必要があります。

 

近年では引っ越し業者でも不用品回収に対応してもらえるケースが増えていますが、遺品整理に伴う不用品の処分は引っ越し業者でも対応できるのでしょうか。

 

このページでは、引っ越しを伴う遺品整理について解説します。

 

不用品処分は引っ越し業者でも対応してもらえる

引っ越しに伴う不用品処分は引っ越し業者に依頼する方も多く、不用品処分に対応している引っ越し業者も多くあります。

 

不用品処分サービスを行っている引っ越し業者が増えている

最近では、不用品処分をサービスに入れている引っ越し業者が多くあります。
引っ越しで出た不用品を回収したり買取してくれるため、引っ越しの際に出るごみの負担を減らすことができます。

 

注意しておきたいのは、引っ越し業者の不用品処分は「家電4品目」と呼ばれるエアコン、洗濯機、テレビ、冷蔵庫は有料で処分してもらえることが多いですが、そのほかの家具や家電は対象外になっている場合もあるという点です。

 

そのため、家電4品目や高価格で買い取ってもらえる可能性が高い物以外は、不用品処分に対応してもらえない場合もあります。

 

引っ越し業者に不用品処分を依頼するメリット

引っ越し業者に不用品処分を依頼するメリットは

・引っ越しと不用品処分が同時に終わる
・業者を手配する必要がなくなる

という点です。

 

引っ越し日当日に必要なものは転居先に運んでもらい、不要な物は引っ越し業者に回収してもらえるため、別途不用品回収業者に依頼する必要がなくなります。

 

引っ越し業者に不用品処分を依頼するデメリット

引っ越し業者に不用品処分する際の注意点は

・不用品回収料金が別途かかる
・引き取ってもらえる物は限られている

という点です。

 

引っ越し業者は不用品回収に対応している品目を限定していることが多く、すべてを回収してもらえるわけではありません。
つまり、引き取ってもらえなかったものは別途業者に依頼する必要があります。

 

遺品整理は遺品整理業者に任せた方が安心

不用品の一部は引っ越し業者で回収してもらうことができますが、遺品整理の場合は遺品整理業者に任せた方が安心です。

 

遺品整理では引っ越し業者が回収してくれる家電4品目以外にも大量の不用品が出ます。
引っ越し業者で回収してもらえなければ、結局別の業者に回収してもらう必要がでてきてしまいます。

 

遺品整理業者は故人の遺品を必要なものと不要なものに分け、不要な物は処分したり買取りしてもらえます。
また、遺品整理の場合、貴重品や捜索しなければならないものもあり、慎重に整理をしなければなりません。

 

遺品整理業者は豊富な経験をもとに貴重品の捜索をしたり、思い出の品と思われる品物などを丁寧に分類します。

 

さらに、不用品は買い取れるものは買取に回したり、処分が難しいと感じる方が多い仏壇や神棚、人形などの回収も依頼することが可能です。

 

賃貸物件の遺品整理から退去までの流れ

亡くなった方の住まいが持ち家だった場合、気持ちの整理がついてから遺品整理をすれば良いでしょう。
しかし、賃貸物件の場合、なるべくすみやかに退去する必要があります。

 

退去日と家賃について確認する

遺品整理を始める前にまず確認するのが賃貸契約書です。
賃貸契約書には、解約条件、退去日、違約金などといった物件を賃貸するうえでのルールが記載されています。

 

住民が亡くなったら賃貸物件を解約する必要がありますので、まずは不動産会社か大家さんに連絡をし、退去日を決定します。
また、月の途中で退去する場合、家賃は日割り計算となりますので、そのあたりも確認しておきましょう。

 

遺品整理・片付け

退去日が決まったら遺品整理を行います。

 

小さなアパートであっても、故人の荷物は膨大な数のことが多いため、できるだけ遺品整理業者などのプロの手を借りて行った方がスムーズです。

 

自分で故人と向き合いながら整理したい、という場合は遺品整理業者に相談して、自分が整理するエリアを決めるなど、分担するとスピーディーかつ納得のいく遺品整理ができる可能性が高くなります。

 

不用品は処分し、必要な物は自宅へ運びます。

 

このとき、家電などがある場合は引っ越し業者に依頼しますが、遺品整理業者によっては荷物を自宅へ運んでくれる場合もありますので事前に相談しておくと安心です。

 

原状回復・清掃

荷物をすべて運び出したら清掃を行います。

 

賃貸物件では退去時の原状回復義務が記載されている場合が多く、特に公営住宅の場合は民営住宅と違い、退去時に換気扇や配線、網戸などの撤去を義務付けられていることがあります。

 

賃貸物件では、ハウスクリーニング代を敷金から差し引かれることもあります。

 

明け渡し

荷物の搬出・清掃が終わったら鍵の返却をし、明け渡しをします。

 

遺品整理をスムーズに進めるコツ

1人で遺品整理をしない

遺品整理は作業量も多く、家電や大型の家具を移動させるなど、精神面でも体力面でも大きな負担になりがちです。
また、処分したあとになって他の遺族に「取っておいてほしかった」などと言われるとトラブルに発展しかねません。

 

できるだけ、家族や親戚みんなで一緒に行うことが大切です。

 

生前のうちから準備しておく

生前整理は残された家族が相続でトラブルにならないよう、自分で形見分けしたいものの詳細をエンディングノートに記載したり、遺言書を作成し、誰にどの財産を引き継いでもらうのかを明確にしたりする作業です。

 

これを行うことで遺族の遺品整理はスムーズになります。

 

亡くなったあとの相続人の手続きは多く、相続税の申告期限もあるため、残された家族に手間をとらせないために生前から準備しておくと自分の遺志も伝わりやすくなり安心です。

 

遺品整理は専門業者に相談を

賃貸物件からの家具や家電の移動など、引っ越しを伴う遺品整理の場合、まずは遺品整理業者に相談・見積もりをすると安心です。

 

遺品整理業者で貴重品の捜索や取っておくものと処分するものの分類と回収を行い、必要な場合は引っ越し業者に依頼して荷物の移動をすると良いでしょう。

 

また、遺品整理業者に荷物の移動に関して事前に相談しておくと引っ越し業者の紹介など、対応してもらえることもありますので、遠慮なく相談してみてください。